2011年8月31日水曜日

東京造幣局を見学してきました

今日は、ゼミの一環として、東京造幣局を見学してきました(台風が来るのではないかとやきもきしていたのですが、関東には影響がありませんでした)。

造幣局と言えば、「コインを作っているところ」というのが、日本人の一般的な理解だと思います。これは間違いではないのですが、我々が日常使っているコインは、じつは東京造幣局ではなく、広島造幣局で作っているそうです。では東京造幣局ではコインは作っていないのかというと、そういうことではなく、一般にはほとんど流通しない、レア物の「プルーフ貨幣」というコインを少量生産しているのだそうで、その製造工程について、説明を受けながら実地に見学することができました。

東京造幣局で作っているコイン以外のものとしては、勲章や褒章があります。製造は手仕事によるところが多く、完璧に職人さんの世界でした。公務員でこういう仕事をしている人がいるとは、考えたことがありませんでした。

ちなみに勲章についてですが、公務員で一定以上の職(学校の教員だと校長など)を務めると、晩年には叙勲の対象になるはずですので、わたしなどは「うちのゼミ生たちも、あと60年ぐらいしたらこれを受け取るのかもしれないな」と思いながら見ていました。ここでは、大勲位菊花章頸飾や、大勲位菊花大綬章といった、高位の勲章も見ることができます。最高位の大勲位菊花章頸飾は、大きい上に22金なのでかなり重そうでした。これを戦後に受賞した日本人は、皇族を除くと吉田茂と佐藤栄作の二人だけだそうです。納得できる話です。


ところで、造幣局は東京・大阪・広島の三拠点体制ですが、意外なことに大阪が本局で、東京は支局なのだそうです。これは明治のはじめに貨幣制度が構築されるときに、財政的な裏づけから大阪に拠点が構えられたところに由来しているという説明をうけましたが、当時の詳しい意思決定については、正直言ってよくわかりません。ただハッキリしているのは、日本のなかでの商都・大阪の経済力が、当時はかなり高かったということでしょう。





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