2012年12月2日日曜日

ZARAの店頭から見える欧州アパレル産業の舞台裏

週末は、国際開発学会に出席するために、神戸大学に足を運びました。

さて、空き時間に神戸の三宮エリアを歩いていたら、スペイン・ZARAの店舗を見つけました。ご承知の通り、ZARAを展開するインディテックス社は、ファストファッション業界では、スウェーデンのH&Mに次ぐ世界第2位の売上高を誇る企業であり、日本のユニクロを展開するファーストリテイリングにとっては強力なライバルの一つです。

じつは、今年度後期の授業「社会科教材研究V」では、この種のアパレル産業を支える製縫業の新興国への進出の動向を取り上げて、学生さんたちと一緒に考えてきました。日本の店頭にならぶ衣服で、メイド・イン・チャイナが激増しはじめたのは1990年代末からですが、近年は、中国での人件費高騰をうけて、ベトナム、カンボジア、バングラデシュ、さらにミャンマーといった、新しい産地から輸入された衣服が、日本でも少しずつ増えています。わたしも、最近、メイド・イン・バングラデシュという服を初めて買いました。

では欧州のアパレル産業は、どういった国から服を調達しているのか。これを理解するためには、何と言ってもH&MやZARAの店舗に足を運ぶのが手っ取り早い。このうちH&Mについては、すでに渋谷店を訪れた経験があるのですが、ZARAについては未体験だったので、これ幸いとばかりに神戸・三宮で入店し、確かめてみることにしました。

ZARAの店頭に並んでいる服の産地のうち、印象的だった国が2つありました。一つは北アフリカで製造業が発達しているチュニジアです。聞くところでは、メイド・イン・チュニジアの服は、欧州ではちょくちょく見かけるそうですが、日本ではまず見かけません。もうひとつは、欧州最貧国の一角を占めるアルバニアです。メイド・イン・アルバニアというものは、およそ服に限らず、日本ではまず見かけないでしょう(そもそも、「アルバニアってどこ?」という方がかなりおられると思います)。と同時に、この服はいったいどういう経路で日本までやってきたのか、ということも気になります。いずれにしても、ZARAの店頭にある服のタグ一つでも、欧州アパレル産業の舞台裏(海外生産委託や輸送のあり方)を考えるきっかけになります。

ちなみに、わたしはH&MよりもZARAのほうが好みです。じつはZARAで気にいった服があったのですが、さすがに出張中に買うと荷物になるので、購入は控えました。

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