ゼミでは、毎年夏休みに、経済施設の見学に行くことにしています。行き先については、ゼミ生に候補を挙げてもらって投票で決めていますが、今年の訪問先は「東京ガス袖ヶ浦工場」。世界最大級のLNG(液化天然ガス)受け入れ基地です。こちらでは、マレーシア、インドネシア、ブルネイ、カタールなどから天然ガスを受け入れているそうです。
日本の場合、欧州とは異なり天然ガスを輸入できるパイプラインがないので、輸入モノはすべてタンカーに頼ることになります。このとき、産地で気体のガスを冷却しマイナス162度以下にすると容積が600分の1となって、かさばらずに都合がよい。そうやって冷却・液化されて運ばれてきた天然ガスを受け入れ、気体に戻すのがこの袖ヶ浦工場です。
ところで、敷地内に多数あるLNGタンク(当然、極低温の液体が入っています)の周りには、断熱材があるそうですが、その外周にはヒーターを張り巡らせているそうです。これは、そうしないと、マイナス162度の大量のLNGが、凍土を拡大させていってしまうからだそうです。たしかに大量の極低温の液体を地中に保管していると、凍土も出来てしまうのでしょう。
今回、見学先の東京ガスの方に教えていただくまで知らなかったことが幾つかありましたが、そのひとつが「LNGはタンカーでの輸送中に冷やし続けているわけではなく、保冷をしっかり行なっているだけ」ということです。かねてよりLNGのタンカーの写真を見て、「あれは途中で気化しないよう冷却装備でずっと冷やし続けながら日本に運んでいるのだろう」と思い込んでいたのですが、完全に勘違いをしておりました。ひとつ賢くなりました。
日本側の受け入れ基地を見学したので、今度は産地側の冷却・積み出し側も見てみたいと思いました。これはそう簡単ではないでしょうが、カタールでもインドネシアでもマレーシアでもどこでも良いので、いつか実現させたい。ついでに、タンカーに乗ってそのまま日本まで旅してみたいものです(海運業界を担当している新聞記者の方だと、こういった経験をお持ちの方がおられるようですが・・・)。
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