2021年10月2日土曜日

禁煙から20年

「むかしタバコを吸っていた」と言うと、最近の知り合いには驚かれることがありますが、一番多い時期には、1日1箱以上という、結構な量のタバコを吸っていました。こんなスモーカーだった私がタバコを絶ったのが2001年9月なので、禁煙してちょうど20年の年月が経った、ということになります。

もちろん、この20年間、一本も吸っていません。吸いたいと思ったことも、ありません。ただし、禁煙に成功するまでには、かなりの苦労がありました。禁煙を誓っても守れずに失敗する、ということを50回以上は繰り返したはずです。

最終的に禁煙に成功できた要因は、何でしょうか? 私の場合は特殊で、強い意志でもなければ、禁煙パッチでもありませんでした。実際には、「タバコを吸う」→「その直後から、その日一日仕事にならないほどの頭痛が襲う」→「やめようと誓う」→「数日するとまた吸ってしまう」→「また、その日一日仕事にならないほどの頭痛が襲う」というループに入ったことが大きな要因でした。タバコを吸うたびに酷い頭痛に苦しめられるという経験を何度も何度も繰り返しているうちに、タバコを吸おうという気持ちもだんだんと薄れていきました。このような次第だったので、禁煙に成功したというよりも、単に身体がタバコを受け付けなくなったというほうが、実態に近かったかもしれません。したがって、他人様への禁煙のアドバイスはまったくできません。

タバコをやめて良かったと思うことは、幾つかあります。

第一に、喫煙できる場所がどんどん減っていること。あのまま吸っていたら、吸える場所が少なくて、吸いたいのに吸えなくてしんどくなっていたでしょう。第二に、タバコに依存せずに生きていけるようになったこと。アルコールやゲーム、ギャンブル、ドラッグ、ネットなどもそうですが、何かに依存することなしには生きていけないというのは、じつに悲しいことで、考えようによっては「憐れ」とも言えるでしょう。

そして第三に、この20年間にタバコの値段がどんどん上がっていて金銭的負担もばかばかしいほどのものになっていることです。タバコの値段は銘柄により多少の違いがありますが、いまは凡そ580円位でしょうか。私が吸っていたころの2倍以上です。これを週に4箱消費すると年間に12640円、40年間では482万5600円にもなります。まったく唖然とさせられる金額です。これだけのお金があったら、買えるものやできることが、山のようにあります。

ところで、私よりも先に禁煙に成功した知人からは、「タバコを止めると身体のキレれが良くなるぞ」と言われたことがありますが、私の場合は、そのような体調の変化はありませんでした。体重が2~3kg増えた程度でしょうか。それよりも身体に関して気になるのは、体調の体感的な変化ではなく、タバコによって傷んだ肺の機能が、禁煙後にどのように回復していくのかです。

まず、肺がんのリスクは、禁煙後20年程度たてば帳消しになる(非喫煙者と同程度にまで下がる)ようです。しかし、慢性閉塞性肺疾患になるリスクは禁煙後20年ではまだ帳消しにならず(非喫煙者と同程度にまでは下がらず)、30年以上たってはじめて帳消しになる(非喫煙者と同程度にまで下がる)、ということのようです。

こう考えると、禁煙してからそれが「完成」するまでは30年かかる、と思っていたほうがよさそうです。


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