2022年6月3日金曜日

23年ぶりに恩師と会う

 6月4日の弘前大学での日本国際経済学会第11回春季大会に参加するために、弘前にやってきました。

弘前で、ひとつ、かなえたいことがありました。それは高校時代の恩師に会うこと。私は青森県の高校の出身者ではないのですが(入学した高校は岩手県で、3年進級時に北海道の高校に転校)、恩師が退職後にこの地に移り住んでいるのです。彼は私の高校時代に属していた山岳部の顧問でもあり、在学中はあちこちの山に連れて行ってもらいました。

ここで、「連れて行ってもらった」というのは、オーバーな表現ではありません。遠方で開かれる大会への往復等の際に、本当に先生の車に乗せてもらって移動していたのです。当時は、このことを何とも思っていませんでしたが、いま考えると、休日出勤以外の何物でもない。生徒ととともに休日に過ごして下さったことに、頭が下がります(もっとも、当時はワークラーフバランスという概念もなく、顧問教員の休日労働も問題視されていませんでしたが…)。

さて、恩師に会いたいと思っても、Covid-19の騒動が続くなかで、相手はすでに後期高齢者です。加えて、青森県という地方において、都会からやってくる私のような人間は、一般論としては敬遠されかねない。このような状況の中で、「酒食を共にしましょう」と声をかけて良いのかと、悩む人もいるでしょう。これについては、私も何も考えなかったわけではありません。

しかし、それは私が声をかけた相手が自己のリスク認識のもとで判断すればよいわけであり、私のほうが、声をかけること自体を遠慮する必要はないはずです(そもそも、年長者のほうが、相手を慮るあまりに、いやいや相手に合わせてしまうことは普通はありません)。それに、恩師が健在なうちにあと何回弘前に行く機会があるのかと考えると、会えるうちに「会いましょう」と声をかけたいとも思いました(もちろん、このような判断のベースに、日本人の多くはCovid-19を警戒し過ぎであるという私見があることは、否定しません)。こう考えて事前にお誘いをしたら、「嬉しいねえ」ということで、お目にかかることになりました。

恩師と会うのはじつに23年ぶりです(ちなみに23年前は、大学を卒業して間もない頃で、家に泊めてもらったかと思います。いま、昔の教え子と卒業後もこのような付き合いをしてくれる教師は、ほとんどいないでしょうねえ・・・)。夕方に会って食事をするために、まずは私の宿泊先のホテルまで迎えに来てくれるということで、ホテルの玄関前で、素顔で待っていたら、タクシーでやって来られ、降車して私を認めるなり、すぐにマスクを外して下さっての再会です。すぐにマスクを外して下さったとき、長年にわたって交流してこられた理由が分かった気がしました。要は、こういう時の感覚が合うのです。

食事の席ではいろいろな話をしました。聞いてみると、どうやらこの間、私以上に人と会って食事をしてきていたようで、はたして都会から行く私が高齢者に声掛けして良いのかという遠慮は、どうも杞憂だったようでした(笑)。と同時に、若手側が年長者に会うことを過剰に遠慮して人付き合いが滞っている局面が日本中のあちこちで繰り返されているかもしれない、という気がしました。これ自体が一つの気づきでした。

食事の席では、いろいろなことを語りました。なかでも、若者との向き合い方=教育のことは、勉強になることが多く、自分はまだまだだなと思わせられたりと、楽しくも学びとなるひと時でした。先生、また会いましょうね!


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