2012年6月2日土曜日

国際開発学会春季大会@横浜

国際開発学会の第13回の春季大会のために、横浜国立大学まで足を運びました。国際開発学会に出かけるのは久しぶりで、春季大会への参加はよく考えたら初めてでした。

学生時代に4年間横浜に住んでいた私ですが、横浜国立大学に出かけるのはじつは初めてでした。横浜国大の常盤台キャンパスは、横浜駅からバスで20分ぐらい(または地下鉄+徒歩で20分ぐらい)のところにありますが、ご承知のとおり横浜は坂がとても多いところで、横浜駅から横浜国大まで向かう途中も、結構な上り坂となっています。のみならず、大学の最寄のバス停を降りてから、キャンパスにたどり着くまでにも、またまた坂を上らなくてはなりません。当日は比較的涼しかったのですが、それでも汗が滲みそうでした。暑い季節には、教室にたどり着く前に汗ダラダラになりそうです。最寄り駅から近く、しかも道もフラットな千葉大は、この点でたいへん恵まれていることに、気づかされました。もとより坂が多いと、足腰は鍛えられそうです。また、おそらくキャンパスからは富士山が見えるのではないかと思います。公平を期すために、こういうメリットが横浜国大にはあることも、記しておかねばならないでしょう。

学会のあとは、在横浜の知人と食事をしてきました。なんでもこの方は、高校のときに横浜国立大学に出かけて、その急坂に驚き、横浜国大を志望するのをやめたとか。ちなみに横浜国大は、むかしは清水ヶ丘にキャンパスがあり、ここは今は「清水ヶ丘公園」になっています。私は大学時代にこの公園の近くに住んでいたのでよく知っていますが、ここも急坂を登らないとたどり着けないところでした。

横浜というところは異国情緒漂う街として全国的にも人気がありますが、人によっては、坂に閉口させられる街かもしれません。特に高齢となり足腰が弱ってくると、場合によっては外出もままならなくなるとか、いろいろ厄介な面もありそうな気がしますし、そう考えると千葉市というのは良いところかもしれません。こういうことは、学生時代の若い時分には気がつきませんでした。年をとることによって初めて、気づくこと、見えてくることが、あります。

2012年5月30日水曜日

OB訪問

今日は、ゼミのOBが、研究室を訪ねてくれました。学校教員となった教え子で、一年ぶりの再会でした。

昨年の訪問時と同様にちょうど中間テストの時期だということで、たまたま早く帰宅できる日だったようで、普段は授業準備と部活指導に忙しいなか足を運んでくれました。授業での工夫を聞かせてもらったり、授業ノートを見せてもらったりして、教員として着実に成長しているさまを、はっきりと感じることができました。

私もそうですが、最初から授業がうまく出来る人というのは、皆無ではないにしろごく僅かしかいません。そういう意味では、知識の絶対量よりも、つねに知識を吸収し続けようとする姿勢や、自身の授業内容を省みてブラッシュアップしようとするマインドのほうが、遥に重要です(そもそも20代の人間の知識量など、しょせん限られています)。よい教員になれるかどうかを左右する要因は、こういう姿勢やマインドを持ち合わせているかどうかではないかと思います。訪ねてきてくれたOBはまだ二年目ですが、授業での工夫ぶりや方法などは、今後も確実に成長していってくれること間違いない、と確信させてくれるものでした。更なるご活躍を期待しています。

2012年5月18日金曜日

アフリカ経済研究会@明治大学

今日は、明治大学でのアフリカ経済研究会に出席し、小林周さん(慶應SFC研究所上席所員)のご報告「カダフィ後の新生リビアを訪問する」を拝聴してきました。

リビア内戦の経緯や、現在のリビア国内の政治情勢といった最近の動向はもちろんのこと、リビア史におけるカダフィ政権の位置付けや、リビアの東部(トリポリタニア)・西部(キレナイカ)・南部(フェザーン)という3つの地域的特性なども勉強することができました。日本では、リビア内戦をめぐる報道はNHKも含めてすべてが、「東部と西部が対立している」という図式になってしまっており、南部が独自性を持った地域として存在していること自体が認知さえされていないような状況なので、この地域的特性の点を特に興味深く聞きました。南部には少なからぬ外国人(ブラック・アフリカン)が流入しているのだそうです。また、リビアと北朝鮮、リビアと中国の関係なども伺うことができました。

リビアの今後についてですが、おそらく「アフガン化」はしない、というのが小林さんの見立てでした(私もそう思います)。とはいえ、国家再建に向けた前途はなかなか多難で、既に「カダフィ時代のほうが良かった」というような声も出ているそうです。新政権は、地域間の対立と地域格差を乗り越え、復興・再建の果実を国民にあまねく行き渡らせなければなりません。さもなくば、国民が新政権に納得できず、ひいては再度の混乱もありうるのかもしれません。今後に注目です。

2012年3月23日金曜日

卒業式

今日は卒業式でした。昨年は、3.11の直後ということで、謝恩会も中止になりましたが、今年は参加することができました。卒業生からは、わざわざプレゼントまで頂戴してしまいました。招待してくださっただけでも十分なのに。気を遣わせてしまって申し訳なく思っています。この場でお礼を述べたいと思います。


演習室で、ゼミ生たちと写真を撮りました。ご活躍をお祈りしています。

2012年2月9日木曜日

私はどのように成績をつけているか

学期末試験が終わりました。今日は、私がどのように成績をつけているのかについて、ご説明いたします。

私は、多くの授業科目で、レポートではなく筆記試験を課しています。千葉大に奉職した最初の年は、論述のみの出題だった科目もありましたが、2年目からは、どの科目でも穴埋め問題と論述問題とを併用しています。

まず穴埋め問題の採点については、正答を記した答案用紙を脇に置き、これを見ながら丸付けをしていきます。なかには、語句の書き間違えなど、微妙な判断を要するものも出てきますが、これらについては、その時の配点なども勘案しながら、対応方針を決めます。

次に論述問題についてですが、これについては、いきなり採点することはありません。まず、答案を20~40枚ぐらい読みます。こうして、よく書けている答案を探し出し、それに95%以上の高い点数を付与します(場合によっては満点とすることもあります)。また、全体的な出来具合や記述の傾向を把握し、よく書けている答案の出来具合と比較しながら、採点基準を決めていきます。こうして採点基準が固まってから、はじめて採点に取り掛かります。

この論述の採点にあたっては、休み休みやるわけにはいかず、まとまった時間をつくって一気に答案を読み進めていかねばなりません。というのは、論述の採点ですので、時間をかけていればいるほど、採点基準がブレる恐れがあるからです。しかし、同じような記述のものを大量に読み続けるので、どうしても飽きてくるし、集中力も落ちてくるし、決して楽とは言えない作業です。こうしたなかで、思わず惚れ惚れするような優れた答案に出会うと、疲れも多少は和らぎます。他方で、私の授業での説明を曲解した答案に出会うと、疲れが倍増しそうになりますが、しかしこの種の誤答は、私の授業(での説明方法)を改善する上での手がかりとなるものなので、きちんとメモしておきます。

こうして一通り答案を採点し終えたら、まず、点数の計算間違いをしていないかどうかを確かめます。人間は不完全な生き物である以上、単純な計算間違えをやらかすこともありえますので、この作業は必須です。

次に、学籍番号と氏名が記されたMS-Excelファイルに、ひとりずつ点数を入力してきます。その後、このファイルへの入力そのものに間違いがないかどうかを、答案と照らし合わせながらすべて確認していきます。

さて、普通の教員の場合だと、これで採点作業は終わりかも知れません。しかし私はそうではありません。ここから時間がかかるのです。

まず、Excelの関数を使ってテスト受験者の評定平均を計算し、これが1.0を下回らないかどうかをみます。このとき、1.0を下回っていた場合は「採点が厳しすぎた」と捉え、平均点を少し上げる方法を考えます。具体的には、論述の採点基準を少し緩めるとか、穴埋め問題の配点を変更する(不正解の多い問題の配点を低くする代わりに、正解の多い問題の配点を高くする)とか、あるいは全員に一律に1点加点するといった方法がありえます。ここで論述の採点基準を少し緩めたりした場合には、また採点のし直しになりますので、大変な作業が待っています。ただし過去2年ぐらいは、当初の採点で評定平均が1.0を下回ったことは、ありません。

こうして評定平均が1.0を越えたことを確認したら、次に、不可になった人のうち、60点のボーダーラインにギリギリ届かなかった人(おおむね55点以上)の人の答案を、再度確認します。つまり、本当に不可にして良いかどうかを、確認するわけです。そのために、該当者すべての答案を再度読んで、採点そのものに間違いがないかどうかをチェックします。穴埋め問題の確認は簡単ですが、問題は論述問題の確認です。というのは、論述問題については、読んでいるときに採点基準が微妙に揺らいでしまい、同じような出来具合であっても点数が1~2点程度ズレることがあり得るからです。こうした「揺らぎ」で、本来は単位を取得できる学生が不可になるということは、許されないことだと私は思っているので、この確認は絶対に欠かせません。

しかし、この確認作業には結構時間がかかります。「この人を本当に不可にして良いだろうか、何か不当に評価を低くしてしまっているということはないだろうか」と自問自答しながら逡巡してしまうからです。ボーダーラインぎりぎりの学生が多ければ多いほど、この確認に時間がかかります。それはともかく、この確認をしていくなかで、稀に、「当初59点だったが60点で通して良い」という方が出てくることがあります。ですが、多くは、悩みに悩んだ末に、「やはりダメだ、単位を出すわけにはいかない」という結論に達します。このようなプロセスを経ているので、この種の答案についてはすべて、「どこがどのようにダメで単位を出せないか」を明確に説明できる状態になっています。

このように、評定平均を計算するところ以降の作業には、おおむね1日を要します。場合によっては複数日にまたがって逡巡することも、あります。悩んでしまって眠りが浅くなることさえあります。非常に真摯にやっており、かなり神経を使っています。

ここまでをまとめますと、私は単に採点し入力して終わりではなく、①点数の計算間違いがないかどうか、②Excelファイルへの点数の入力に間違いがないかどうか、③本来は可であるべき人を間違えて不可にしてしまっていないかどうか、というように、三重のチェックをして成績をつけている、ということです。他の教員がどのように採点しているかは知りませんが、おそらくここまで丁寧にやっている教員は、なかなかいないだろうと思います。私は、間違いのないよう真摯に、かつかなり神経を使いながら、何段階もの確認を経た上で成績をつけているのだということを、声を大にして強調しておきたいと思います。

もちろん、人間のやることですから、ここまでやっても絶対に間違いが発生しないとまで言い切るつもりはありません。じつは私は学生時代に、ある授業科目の評点が40点台で不可になったことがあるのですが、いまだにどうも解せません。もしかすると採点間違いだったのではという気も今となってはするのですが、いかんせん私の学生時代には、学生が教員に対して成績の異議申し立てをする方法など、ありませんでした。ですから、学生が異議申し立てをする機会は、必要だと思います。思うのですが、私は何重にもチェックをし、特に不可にする人については確認に確認を重ねた上で成績をつけていますので、成績つけにおいて間違いはまず犯していないだろうという自負がありますし、ここまで読んでくださった方ならば、私の成績つけにミスが発生しているとか、本来は可なのに間違って不可にしているなどという確率はきわめて低いということを、おそらくご理解いただけるものと思います。

ですから、私は学生諸君からよく「成績に関する調査申請書」を受け取るのですが(単位の認定が厳しいからです)、改めて確認しても、採点や成績が間違っていたなどということは、ただの一度もありません。大学の教員としての職を全うし終えるまでにはまだ相当の年月がありますが、生涯にわたって一度も採点ミスを出さないよう務めるという目標をもっています。

少し脱線してしまいましたが、このように採点を終えたら、採点結果表を取りまとめ、さらに講評を書き上げます。これも結構大変な作業でして、だいたい丸1日かかります。出来上がった採点結果表と講評はすべてWebで公開し、学生諸君が読めるようにしています(講評については受講者のみ)。ここまで詳しい採点結果と講評とを公開している教員は、少なくとも千葉大学にはいないだろう、と密かに自負しています(もしいたら、教えてください)。

さて、このように私は半年の授業を終えた後に単に成績つけを行なうだけではなく、授業に関する情報公開にも積極的に取り組んでいるわけですが、残っている仕事が、実はまだあります。それは、採点のときに気付いた学生諸君の誤答傾向や勘違いなどを自分なりにまとめ、吟味する、という仕事です。これをやらないと、授業内容が進化しないのです。特に正答率の低かった問題に関する講義内容の部分は、説明や解説方法を改良する余地がある可能性が高いと思われます。そこで、どうすれば学生諸君の誤答や勘違いを減らせるかを考え、それをメモしておきます。場合によっては、すぐに次年度以降用の講義ノートや資料を改訂してしまうこともあります。さらに、次回開講時のために、手直しをしたシラバスをすぐ用意してしまうこともあります。こういう改訂や修正は、気付いた直後に済ませておくのが肝心でして、後からやるのでは効果半減なのです。

いずれにしても、テストの採点というのは、教員にとっては、自身の授業内容の良くない点を反省し、改善するためのさまざまな示唆を与えてくれるものだと感じます。換言すれば、教員は、テストの採点を通じて自らの教育方法を反省できるということです。私は授業が得意ではないのですが、せっかくやる以上は、学生諸君には少しでも正確かつ深く理解して欲しいと思いますし、またひとりでも多くの学生諸君に単位を取得して欲しいとも思います。そのためにも、この採点を通じた反省を次の授業にうまく活かしていくことが重要だと考えています。

これらの仕事が終わったら、ようやく、その半期の授業にまつわる仕事からは、解放されます。もちろん、また次の半期の講義準備もしないといけません!とはいえ、教員にとってはまとまった研究時間のとれる貴重な時期の訪れです。研究者にとっては、待ちに待った時間なのです。私も、締め切りを控えた次の執筆に、取り掛かっていかねばなりません。

2012年1月26日木曜日

2011年度ゼミ最終回

なかなか更新する時間を持てないまま、新年になってしまいました(ネタはあるのですが、どうも書く時間に恵まれません)。授業で喉を酷使して病院に駆け込んだり、眼鏡が壊れたり、若干のトラブルに見舞われていますが、概ね健康にやっています。

さて、今日は、2011年度のゼミの最終回でした。今年度は前期にアフリカ関係の本を読んだのですが、ゼミ生の一人が、4月に、ゼミ室のホワイトボードにアフリカの地図を書いてくれていました。この地図のおかげで、どれだけ助けられたことでしょう。何せ場所や位置関係を確認する際には、毎回、すぐに説明に使えたのですから。さらに後期のゼミ生の発表でも幾つかアフリカ関係の報告がありましたので、1年間、この手書き地図をフルに活用させてもらいました。

いつか消さなくてはなりませんが、もったいないので、消してしまう前に、記念写真をと思って、ゼミ生に撮ってもらいました。

ゼミの後は、追い出しコンパをやりました。

2011年10月15日土曜日

毎日新聞に『国際政治モノ語り』の書評が出ました

私が執筆者の一人に加わった『国際政治モノ語り』の刊行については、既に7月のエントリーでお知らせしましたが、この本に対する書評が、10月9日『毎日新聞』に掲載されました。
http://mainichi.jp/feature/news/20111009ddm015070027000c.html


私は今まで幾つかの本の執筆に関わってきましたが、大新聞の書評欄で取り上げられたのは初めてです。この本は、私自身も思い入れがあり、多くの人に取っていただけたらという願いがありましたので、たいへん嬉しいことです。本書は、書評子が記してくださったように、「グローバル経済理解の格好な入門書」になっています。どうぞ手にとっていただけますよう、よろしくお願い致します。