今日は、ゼミの一環として、新日鉄住金の君津製鉄所へ工場見学に出かけました。こちらには、3年前にもゼミ生ともにお邪魔したことがありますが、当時の社名は「新日鉄」でした。新日鉄と住金とが合併したのが昨年10月ですので、「新日鉄住金」になってからの訪問は初めて、ということになります。
さて前回、3年前に見学に行った際は、特に準備をせず、いきなり出かけました。ですが、これはやや失敗したと感じていました。というのも、鉄鋼産業の現状とか、銑鋼一貫製鉄所の諸工程(製銑(高炉)→製鋼(転炉)→圧延)についての知識なしにただ漠然と見学しても、学習効果は低い、ということがわかったからです。もちろん知識なしに見学しても、面白くないわけではない。しかし、事前に勉強して知識を得ておいたほうが、知識なしの場合よりも、何倍も面白く見学できるのです。料理のみならず勉強でも「下準備」が大事です。
というわけで今回は、1月のゼミで、鉄鋼産業の現状や、銑鋼一貫製鉄所の諸工程(製銑(高炉)→製鋼(転炉)→圧延)について勉強する機会を設け、その上で見学に出かけました。見学中のゼミ生達の反応を見ていると、やはり「予習」の意味はあったようで、今回は、前回以上に学習効果の高い工場見学になったように思います。
新日鉄住金は、世界で第2位の鉄鋼メーカーであり、このうち君津製鉄所は、同社で最大の鉄鋼生産量を誇っています。こういう世界に冠たる大企業の主力工場に簡単に足を運べる地の利に恵まれていることに感謝したいと思いますし、そのうちゼミ生たちが、今度は学校教員として児童生徒を連れて見学に行ってくれたら、と願っています。
第四高炉前にて。今から35年前、鄧小平氏は初訪日した際に、この君津製鉄所を訪れています。おそらく、彼もこの第四高炉を見たことでしょう。
2013年2月12日火曜日
2012年12月2日日曜日
ZARAの店頭から見える欧州アパレル産業の舞台裏
週末は、国際開発学会に出席するために、神戸大学に足を運びました。
さて、空き時間に神戸の三宮エリアを歩いていたら、スペイン・ZARAの店舗を見つけました。ご承知の通り、ZARAを展開するインディテックス社は、ファストファッション業界では、スウェーデンのH&Mに次ぐ世界第2位の売上高を誇る企業であり、日本のユニクロを展開するファーストリテイリングにとっては強力なライバルの一つです。
じつは、今年度後期の授業「社会科教材研究V」では、この種のアパレル産業を支える製縫業の新興国への進出の動向を取り上げて、学生さんたちと一緒に考えてきました。日本の店頭にならぶ衣服で、メイド・イン・チャイナが激増しはじめたのは1990年代末からですが、近年は、中国での人件費高騰をうけて、ベトナム、カンボジア、バングラデシュ、さらにミャンマーといった、新しい産地から輸入された衣服が、日本でも少しずつ増えています。わたしも、最近、メイド・イン・バングラデシュという服を初めて買いました。
では欧州のアパレル産業は、どういった国から服を調達しているのか。これを理解するためには、何と言ってもH&MやZARAの店舗に足を運ぶのが手っ取り早い。このうちH&Mについては、すでに渋谷店を訪れた経験があるのですが、ZARAについては未体験だったので、これ幸いとばかりに神戸・三宮で入店し、確かめてみることにしました。
ZARAの店頭に並んでいる服の産地のうち、印象的だった国が2つありました。一つは北アフリカで製造業が発達しているチュニジアです。聞くところでは、メイド・イン・チュニジアの服は、欧州ではちょくちょく見かけるそうですが、日本ではまず見かけません。もうひとつは、欧州最貧国の一角を占めるアルバニアです。メイド・イン・アルバニアというものは、およそ服に限らず、日本ではまず見かけないでしょう(そもそも、「アルバニアってどこ?」という方がかなりおられると思います)。と同時に、この服はいったいどういう経路で日本までやってきたのか、ということも気になります。いずれにしても、ZARAの店頭にある服のタグ一つでも、欧州アパレル産業の舞台裏(海外生産委託や輸送のあり方)を考えるきっかけになります。
ちなみに、わたしはH&MよりもZARAのほうが好みです。じつはZARAで気にいった服があったのですが、さすがに出張中に買うと荷物になるので、購入は控えました。
さて、空き時間に神戸の三宮エリアを歩いていたら、スペイン・ZARAの店舗を見つけました。ご承知の通り、ZARAを展開するインディテックス社は、ファストファッション業界では、スウェーデンのH&Mに次ぐ世界第2位の売上高を誇る企業であり、日本のユニクロを展開するファーストリテイリングにとっては強力なライバルの一つです。
じつは、今年度後期の授業「社会科教材研究V」では、この種のアパレル産業を支える製縫業の新興国への進出の動向を取り上げて、学生さんたちと一緒に考えてきました。日本の店頭にならぶ衣服で、メイド・イン・チャイナが激増しはじめたのは1990年代末からですが、近年は、中国での人件費高騰をうけて、ベトナム、カンボジア、バングラデシュ、さらにミャンマーといった、新しい産地から輸入された衣服が、日本でも少しずつ増えています。わたしも、最近、メイド・イン・バングラデシュという服を初めて買いました。
では欧州のアパレル産業は、どういった国から服を調達しているのか。これを理解するためには、何と言ってもH&MやZARAの店舗に足を運ぶのが手っ取り早い。このうちH&Mについては、すでに渋谷店を訪れた経験があるのですが、ZARAについては未体験だったので、これ幸いとばかりに神戸・三宮で入店し、確かめてみることにしました。
ZARAの店頭に並んでいる服の産地のうち、印象的だった国が2つありました。一つは北アフリカで製造業が発達しているチュニジアです。聞くところでは、メイド・イン・チュニジアの服は、欧州ではちょくちょく見かけるそうですが、日本ではまず見かけません。もうひとつは、欧州最貧国の一角を占めるアルバニアです。メイド・イン・アルバニアというものは、およそ服に限らず、日本ではまず見かけないでしょう(そもそも、「アルバニアってどこ?」という方がかなりおられると思います)。と同時に、この服はいったいどういう経路で日本までやってきたのか、ということも気になります。いずれにしても、ZARAの店頭にある服のタグ一つでも、欧州アパレル産業の舞台裏(海外生産委託や輸送のあり方)を考えるきっかけになります。
ちなみに、わたしはH&MよりもZARAのほうが好みです。じつはZARAで気にいった服があったのですが、さすがに出張中に買うと荷物になるので、購入は控えました。
2012年11月17日土曜日
「誰も知らない基地のこと」
映画「誰も知らない基地のこと」を、先日見ました。
これは、沖縄、ディエゴ・ガルシア、そしてイタリアのビチェンツァといった米軍基地に悩まされている地域の人々の声と、チャルマーズ・ジョンソン、ノーム・チョムスキー、キャサリン・ラッツといった米国の世界戦略・軍事戦略に批判的な声を上げてきた学者へのインタビューとを組み合わせながら、米軍基地の世界的な展開と、それが各地で引き起こす問題を取り上げたドキュメンタリー映画です。このなかで、冷戦が終わってから、世界各地の米軍基地が冷戦中よりも増加していること、それがこの間の中東・東欧・中央アジアといった紛争地を中心に増えていることがはっきり示されていたのが、印象的でした。こういうことには、個別地域の基地(たとえば沖縄)だけを見ていると、なかなか目が行き届きません。他方で、辺野古や高江のヘリパッドを、米軍基地のグローバルな増殖過程の一環として捉えなおすことの必要性にも、気づかされます。
この映画は、首都圏では夏に公開されていましたが、先月の沖縄での米兵による暴行事件をうけて、急遽アンコール上映されています。驚くべきは、これがたったの500円で見られる、ということです。上映映画館であるUPLINKさんのこの映画に対する強い思い入れのようなものを感じます。学生さんたちに、お勧めしたい映画です。
http://kichimondai.com/
http://www.uplink.co.jp/movie/2012/3556
これは、沖縄、ディエゴ・ガルシア、そしてイタリアのビチェンツァといった米軍基地に悩まされている地域の人々の声と、チャルマーズ・ジョンソン、ノーム・チョムスキー、キャサリン・ラッツといった米国の世界戦略・軍事戦略に批判的な声を上げてきた学者へのインタビューとを組み合わせながら、米軍基地の世界的な展開と、それが各地で引き起こす問題を取り上げたドキュメンタリー映画です。このなかで、冷戦が終わってから、世界各地の米軍基地が冷戦中よりも増加していること、それがこの間の中東・東欧・中央アジアといった紛争地を中心に増えていることがはっきり示されていたのが、印象的でした。こういうことには、個別地域の基地(たとえば沖縄)だけを見ていると、なかなか目が行き届きません。他方で、辺野古や高江のヘリパッドを、米軍基地のグローバルな増殖過程の一環として捉えなおすことの必要性にも、気づかされます。
この映画は、首都圏では夏に公開されていましたが、先月の沖縄での米兵による暴行事件をうけて、急遽アンコール上映されています。驚くべきは、これがたったの500円で見られる、ということです。上映映画館であるUPLINKさんのこの映画に対する強い思い入れのようなものを感じます。学生さんたちに、お勧めしたい映画です。
http://kichimondai.com/
http://www.uplink.co.jp/movie/2012/3556
2012年10月15日月曜日
日本国際経済学会で報告
週末は神戸まで出張し、甲南大学にて開催された日本国際経済学会・第71回全国大会に参加しました。昨日の日曜日には、私も報告をしてきました。甲南大学には初めて足を運びましたが、緑溢れるキャンパスに、現代的で風格のある綺麗な校舎が配置されていて、とても雰囲気の良い大学でした。
学会終了後に、甲南大学の近くにて、知り合いと食事をして、最終の新幹線で帰ってきましたが、日曜夜の最終の新幹線なのに、自由席には座れないで立っている乗客がかなりいて、その混雑ぶりにビックリしました。とはいえ、品川からの総武快速線は、さすがに休日の終電ということで、ガラガラでした。
学会終了後に、甲南大学の近くにて、知り合いと食事をして、最終の新幹線で帰ってきましたが、日曜夜の最終の新幹線なのに、自由席には座れないで立っている乗客がかなりいて、その混雑ぶりにビックリしました。とはいえ、品川からの総武快速線は、さすがに休日の終電ということで、ガラガラでした。
2012年9月21日金曜日
東京証券取引所を見学しました
今日は、ゼミの「社会科見学」の一環として、ゼミ生達とともに、東京証券取引所を見学してきました。また、この見学をアレンジしてくださったSMBC日興證券さんによる金融経済教育のセミナーもあわせて受講しました。
東証の見学では、TOPIXは1968年1月4日時点の時価総額を100とした指数であるとか、TOPIXの算出は毎秒毎なのに対して日経平均の算出は15秒毎だとか、新規上場の際に鳴らされる鐘をつく回数は5回と決まっているのだとか(「五穀豊穣」から5回)、証券取引になじみがあっても意外と知られていないtriviaを教えていただくことができ、楽しめました。
写真は、東証のなかの、かつて立会場だった場所にある、マーケットボードです。一時的に「歓迎 千葉大学」という表示にわざわざ切り替えていただくという、細やかなお心遣いをいただき、感激しました。
また、東証見学後のセミナーでは、1冊1700円もするテキストをはじめとして、様々な資料を頂戴したうえで、フィナンシャルプランナーの方から、金融やマネープランについて学習することができました。内容は、授業で私が教えてきたこととも接点が多かったので、ゼミ生たちにとっては、この分野に関するトピックを改めて確認したり、深めたりするまたとない良い機会になったのではないかと思います。
見学とセミナーをお世話していただいたSMBC日興證券の方によると、「セミナーの最中に寝てしまう方もおられるのだが、今日の千葉大の学生さんたちは熱心に聞いてくださったです」とのことで、ホッとしました。こういう真面目なところは、教育学部の学生の良いところだと思っています。
東証の見学では、TOPIXは1968年1月4日時点の時価総額を100とした指数であるとか、TOPIXの算出は毎秒毎なのに対して日経平均の算出は15秒毎だとか、新規上場の際に鳴らされる鐘をつく回数は5回と決まっているのだとか(「五穀豊穣」から5回)、証券取引になじみがあっても意外と知られていないtriviaを教えていただくことができ、楽しめました。
写真は、東証のなかの、かつて立会場だった場所にある、マーケットボードです。一時的に「歓迎 千葉大学」という表示にわざわざ切り替えていただくという、細やかなお心遣いをいただき、感激しました。
また、東証見学後のセミナーでは、1冊1700円もするテキストをはじめとして、様々な資料を頂戴したうえで、フィナンシャルプランナーの方から、金融やマネープランについて学習することができました。内容は、授業で私が教えてきたこととも接点が多かったので、ゼミ生たちにとっては、この分野に関するトピックを改めて確認したり、深めたりするまたとない良い機会になったのではないかと思います。
見学とセミナーをお世話していただいたSMBC日興證券の方によると、「セミナーの最中に寝てしまう方もおられるのだが、今日の千葉大の学生さんたちは熱心に聞いてくださったです」とのことで、ホッとしました。こういう真面目なところは、教育学部の学生の良いところだと思っています。
2012年8月17日金曜日
給料が、下がりました・・・
今日は給料日。本来ならば「うれしい日」ですが、千葉大に奉職して今回ほど「うれしくない給料日」は、ありません。もちろん、臨時給与特例法への対応と称して、今月から給料が大幅に切り下げられたからです。
ふと思い立って、5年前の同時期、つまり着任して最初の年の8月の給与明細を見て、愕然としました。なんと、着任した年よりも、手取りが減っているのです。俸給額だけで比べると、なお現在のほうがわずかに高いですが、いかんせんこの間、健康保険や年金の保険料が上がっていますし、何と言っても初年度には控除されなかった住民税が差し引かれているからです。なんだか、この5年間の教育・研究の成果を暴力的に否定された気分で、ワークモチベーションが下がりそう・・・いや、下がりました。
おそらく、着任して4年以内の方だと、俸給額そのものが着任時より下がったと思われます。また年々の昇給幅が低くなっている年長の方なども、5年前よりも俸給額自体が下がったのではないかと、思われます。
来年からは復興所得税増税も始まりますので、さらに生活が圧迫されます。まったく大学、そして政府・民主党のやり方には、困ったものです。
ふと思い立って、5年前の同時期、つまり着任して最初の年の8月の給与明細を見て、愕然としました。なんと、着任した年よりも、手取りが減っているのです。俸給額だけで比べると、なお現在のほうがわずかに高いですが、いかんせんこの間、健康保険や年金の保険料が上がっていますし、何と言っても初年度には控除されなかった住民税が差し引かれているからです。なんだか、この5年間の教育・研究の成果を暴力的に否定された気分で、ワークモチベーションが下がりそう・・・いや、下がりました。
おそらく、着任して4年以内の方だと、俸給額そのものが着任時より下がったと思われます。また年々の昇給幅が低くなっている年長の方なども、5年前よりも俸給額自体が下がったのではないかと、思われます。
来年からは復興所得税増税も始まりますので、さらに生活が圧迫されます。まったく大学、そして政府・民主党のやり方には、困ったものです。
2012年8月2日木曜日
免許状更新講習を、行ないました
今日は、教員免許状更新講習を、朝から夕方まで行ないました。現職の学校教員が10年に一度受けなくてはいけないという、あの講習です。30代・40代・50代の学校教員計55名ほどを相手に、5時間の講義+1時間の試験でした。ちなみに私の授業の受講者の学校教員は、幼稚園・小学校・中学校・高校などさまざまですが、中学校の先生が一番多かったです。
私の講義のタイトルは、「21世紀の世界をどう見るか――人口・エネルギー・食糧から考える人類の過去・現在・未来」。内容としては、人口・エネルギー(特に石油)・食糧という3つの観点から、人類と世界経済の過去・現在・未来(21世紀)を大づかみに考える、というものでした。おおむね興味深く聞いていただけたように思います。ありがとうございます。
講義を担当してみての感想ですが、普段学生さん相手にするのとは違う、年長者を相手にすることならではの面白さが、ありました。私は専門家の端くれですが、いかんせん40代・50代の方が経験してきた1950年代・60年代の生活については、経験していないので、皮膚感覚としてはわからない部分があります。ですが今回、受講者から教えてもらったことがありました。また、「年長者ばっかりを相手に授業するのは、大変だったでしょう」と労ってくださった方も、おられました。うれしかったです。
それはそうと、受講者からのアンケートを見ていると、「暑い」とか「寒い」とか、いろいろな意見が出てきてしまいます。わたしは教室に温度計を持ち込み、28度を僅かに下回る程度で室温が維持されるよう、エアコンの調整に気を配っていました。また、エアコンの風の向きについても、受講者に直接当たることがないようにしていました。ですが、ここまでしてもなお、まったく正反対の意見が出てくるのです。一定数の人間が揃うと、本当にいろんな意見の持ち主が出てくるのだということを、あらためて痛感させられました。
私の講義のタイトルは、「21世紀の世界をどう見るか――人口・エネルギー・食糧から考える人類の過去・現在・未来」。内容としては、人口・エネルギー(特に石油)・食糧という3つの観点から、人類と世界経済の過去・現在・未来(21世紀)を大づかみに考える、というものでした。おおむね興味深く聞いていただけたように思います。ありがとうございます。
講義を担当してみての感想ですが、普段学生さん相手にするのとは違う、年長者を相手にすることならではの面白さが、ありました。私は専門家の端くれですが、いかんせん40代・50代の方が経験してきた1950年代・60年代の生活については、経験していないので、皮膚感覚としてはわからない部分があります。ですが今回、受講者から教えてもらったことがありました。また、「年長者ばっかりを相手に授業するのは、大変だったでしょう」と労ってくださった方も、おられました。うれしかったです。
それはそうと、受講者からのアンケートを見ていると、「暑い」とか「寒い」とか、いろいろな意見が出てきてしまいます。わたしは教室に温度計を持ち込み、28度を僅かに下回る程度で室温が維持されるよう、エアコンの調整に気を配っていました。また、エアコンの風の向きについても、受講者に直接当たることがないようにしていました。ですが、ここまでしてもなお、まったく正反対の意見が出てくるのです。一定数の人間が揃うと、本当にいろんな意見の持ち主が出てくるのだということを、あらためて痛感させられました。
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