2010年10月31日日曜日

日本国際政治学会@札幌

10/29-31の3日間にわたって札幌で開催された日本国際政治学会に参加してきました。私は経済学者として職を得ていますので、「なぜ経済学者が国際政治?」といった疑問を持つ方がおられるのは、知っています。学会でも、名刺交換をさせていただくと、わたしの名刺を見て「経済学の方なんですか?」と言われたりすることがあります。

ただ、財団法人日本国際政治学会の定款(寄附行為)には、次のように書かれています。「目的 第三条 本会は国際政治、国際政治史並びにこれに関連する国際経済その他の学術の研究、発表及び普及を図り、これら研究者相互の親睦協力を図ることを目的とする」(太字は筆者による)。つまり、学会の定款上は、「これに関連する」という限定付きながら、国際経済も研究の対象とすることが明確に謳われています。また、私以外にも日本国際経済学会と掛け持ちで日本国際政治学会にも入っておられる方を、私自身、少なくとも数名知っています。その中には、かなり著名な先生方もおられます。


前置きが長くなりました。いくつか雑感を記します。まず研究報告について。今年の大会では、開発や国際経済にも関わる報告が、例年以上に多かったのが印象的でした。いずれも、経済学サイドからの研究とは視点が異なりますが、かえって勉強になることが多くありました。

次に開催施設(札幌コンベンションセンター)について。これにはちょっと不満があります。最大の不満は、報告会場のほとんどが椅子のみで、机がなかったことです。こうなると、あとは膝の上でメモを取るしかありません。これはわたしのように長身の人間にとっては、腰に負担となるつらいことです。そして3日間ずっとこのような不自然な体勢でメモを取り続けていたので、腰痛になってしまいました。過去の開催会場ではほとんどの会場で椅子がありましたし、そもそも参加費として3000円も払っているのだから、これはいただけません。また、無料の無線LANが提供されていないのも残念です。少なくとも昨年の会場だった神戸国際会議場では、無線LANが無料で使えました。その他にも、施設として見た場合、札幌コンベンションセンターには、まだ新しい施設だということもあってか、改良の余地があるように思われました。じつは私のゼミ生が、コンベンション産業をテーマに卒論を書きたいと言っていますので、今回はコンベンション施設の競争力とか良し悪しについて、私自身も少し考えさせられました。

最後に、これはいつも学会に行くたびに感じることで、したがってあちこちで言っていることですが、若く、優秀で、しかも行き場のない研究者が、日本国際政治学会にはゴロゴロしています。他の分野でも多かれ少なかれ見られることですが、IRの分野では特に、研究者の需給バランスが大きく崩れているといって良いでしょう(経済学の分野では、ここまで需給バランスは崩れていません)。能力と体力に溢れた若い逸材を活用できていないのは、国家的な悲劇です。若い研究者の未来が安定したものになることを祈らずにいられません。と同時に、学生会員の会費を割り引くなど、他の学会では当たり前のようになされている若手研究者の支援に、この学会としても取り組む必要があるようにも思われます。


下の写真は、羽田空港からの帰路の品川駅のホームから見えた、旧「パシフィックホテル」を利用したイルミネーションです。ちょうど10月31日は、羽田空港の国際線ターミナルが本格稼動したということで、このような装飾がなされていたようです。「世界へ」の隣がよくわからなかったのですが、こちらを見ると、電車のマークのようです。

2010年10月17日日曜日

日本国際経済学会@大阪

秋は、研究者にとっては、学会シーズンです。10/16-17に、大阪で開催された日本国際経済学会に参加してきました。わたしにとっては、特に日曜日の午後のセッションの報告が興味深かったです。事実そのものは小さな、しかし途上国の開発を考える上でかなり意味のあるヒントとなるトピックを知ることができたのが、収穫でした。

2010年8月19日木曜日

最後のFD購入

ソニーが2011年3月末でFD(フロッピーディスク)の販売を終了し、これにより店頭からFDが姿を消す可能性が高いというニュースをうけて、今日はFDを3枚購入してきました。

いまどき、通信手段を用いることなく人とデータをやり取りする時に使用するメディアと言えば、やはりメモリースティックやCD(CD-RやCD-RWなど)あたりが一般的だと思います。しかしメモリースティックは高価であり、これを人にあげたり、あるいはしばらく貸すというわけには、なかなかいきません。他方のCDは単価が安いので、人にあげたり、あるいはしばらく貸すということが可能です。しかし、CDは、読み込みソフトを立ち上げて焼き付けるのに時間がかかるという弱点があります。その点、FDだとクイックでデータを書き込むことが出来ます。また、安価なのも魅力的です。

FDを使う機会は滅多になくなってしまいましたが、しかし、まったくないわけではありません。まだ当分の間、使う機会が潜在的にありうるので、この機会にFDを買っておきました。おそらくこれが、最後のFD購入でしょう。


と、ここまで書いて、「いまどきの若い人は、FDを見たことも使ったこともないのではないか」と思いました。わたしが大学に入ったときには、まだWindows95が発売される前で、大学の教員でもパソコンを使っている人は少数派でした。その少数派の教員の持っているパソコンには5インチのFDというものがあったのですが、これはいまの大学生は、見たことがないでしょうね。ちなみにWindows95には、CD版のほかに、FD版というものがありました。これはたしかWindows95が30数枚に分割されていたように記憶しています。つまり30数回入れ替えしないと、インストールできないというわけです。


聞くところによると、MOも近い将来に販売停止になる可能性が高いようです。わたしなどは3年半ほど前まで、USBの使えないWindowsNT4.0を使っていた関係上、SCSI接続でPDというものを使っていたのですが、これもいつの間にかメディアとともにほぼ姿を消しました。ZIPなるものもありましたが、これもすっかり見なくなりました。そして、ipodなどの台頭を受けて、MDレコーダーもどんどん販売終了となっているようですから、メディアとしてもMDもそのうち淘汰されていくのでしょう。次に姿を消すメディアは何でしょうか。そのうちCDもDVDに取って代わられるのでしょうか。なくなるのは仕方がないとしても、それぞれのメディアに保管していたデータについては、ドライブが入手・利用できるうちに別のメディアに移しておかないと、未来永劫読み込めなくなってしまいます。なくなる前に、きちんと周知だけはして欲しいものです。

2010年8月2日月曜日

日本銀行本店を見学

今日は、ゼミの一環として、日銀の本店見学に行ってきました。

1896年に建てられ、関東大震災や東京大空襲をくぐり抜けて来たという本館の内部(地下金庫を含む)を見学したほか、日銀の役割などについて、映像と日銀の方によるレクチャーで、勉強してきました。欲を言えば、日銀の業務の一部(たとえば紙幣の痛み具合や偽造紙幣が混ざっていないかの検査業務とか)を実際に見せていただけると、もっと良いのですが、やはりセキュリティ等の関係上、難しいのだろうと思います。映像や、バーチャル見学ツアーなどで、埋め合わせるしかありません。


見学後は、東京駅近くの「和民・八重洲口店」になだれ込んで、前期の打ち上げコンパをやりました。今までのゼミのコンパで一番盛り上がった気がします。コイバナと下ネタが若干多かったような気もしますが(笑)、こうやってゼミ生同士の距離が縮まるのなら大いに結構なことです。わたしもゼミ生たちの意外な一面を見させてもらったり、逆に厳しい「追及」を受けたりしました。こんなにガンガン教員に突っ込んでくるゼミ生たちは初めてです。つくづく風通しの良いゼミだと思います(笑)。このツッコミ力を、ぜひ卒論にも活かして欲しいと思います。


4年生はこれから、いよいよ卒論を本格的に頑張り始める時期になります。わたしも、夏休みは貴重な研究の時間です。よい成果を出せるように、お互いに頑張りましょう。

2010年7月31日土曜日

人間ドックを初体験

今週は、イベントが2つありました。

一つは、ある本の出版企画立ち上げの研究会。東京都内で会合をもって、今後の進め方や方向性を議論してきました。濃いメンバーですし、編集者も既知の方なので、面白い本にしたいと思っています。わたしは、最近少し遠ざかっていた関係のテーマで書くことになりそうです。この分野の勉強を再開したいと思っていたので、お声がけ頂いた先生方の期待を裏切らないよう、微力ながら頑張りたいと思います。


もう一つは、人間ドックを初体験してきたこと。年齢的に、そろそろ受けておいて損はない年頃です。知人の勧めもあって、行ってみました。

それにしても、あの胃のX線検査のしんどいこと。まず顆粒の発泡剤。いきなりゲップが出そうになります。それを止めろと言われるのですが、無理です。そしてバリウム。検査技師さんに飲むのを急かされましたが、そんなにテンポよくごくごくとは飲めません。その後、すぐ検査ですが、体を機械で上下左右に動き回らされるスピードが結構早くて、ちょっとビックリしました。女性の高齢者の方などは、あれだけのスピードで動かされると、検査に恐怖感を覚えるのではないでしょうか。そして何よりも、バリウムを飲むとお腹が張ってしまうのが、とってもつらい。「こんなにしんどい思いをするなら、次の人間ドックは5年後ぐらいでいいや」、と思ってしまいました。もう少しラクな検査にならないものでしょうか。

2010年7月19日月曜日

日本に必要なのは、政策や実行力ではなく、なお一層の閉塞感?

香港の日系金融機関で勤務している知人(と言っても一回り以上年上の方ですが)が、日本に一時帰国したということで、千葉駅の近くでお会いし、財政を含めた日本経済の行方や、中国経済の現状等について、いろいろと意見交換してきました。この方は、もともとは新聞記者だった方ですが、その経験からか「世の中は、政策では変わらない。国民の感情が大きく揺さぶられないと、物事は動かない」と仰っていたのが、わたしにとっては印象的でした。

確かにその通りかもしれません。9.11→米国民の対テロ戦争への支持、米兵によるレイプ→沖縄での反基地集会の盛り上がりなどは、その典型例です。IMF危機後の韓国のドラスティックな変革も、このパターンでしょう。

さて最近は、一定以上の年齢の日本人にとって、日本と日本経済の閉塞感・危機感が高まっています(若い人にとっては、最初からずっと日本と日本経済が閉塞しているなかで育ってきているので、このような閉塞感や危機感があまりないようですが)。こうした閉塞感・危機感をもたらしているものの一つに、財政危機があります。「何とかしなくては」という思いに駆られた人々は、政界・財界・市民を問わず増税を考えるようになっており、そのような政策提言も各方面から活発になされています。でも、それにもかかわらず、先日の参議院選挙の結果からすると、消費税増税にはまだかなりの時間がかかりそうです。つまりは「世の中は、政策では変わらない」。日本国債の消化が難しくなって債務危機が表面化するなどして、国民の感情が大きく揺さぶられないと、増税という物事も、動かないのかもしれません。それでいいとは思わないのですが、世の中はそんなものかもしれません。


この方とのお話しで、もう一つ気になったのが、若い社員の鬱の多さです。この方の同僚でも、香港に赴任したものの鬱になって日本送りになってしまう若い社員が、少なからずいるそうです。わたしぐらいの年齢になると、同年代の知人は、職場に新しく入ってきた新人を教育する立場になっているのですが、彼・彼女達と会うと必ず聞かされる事の一つに「最近の若者は、メンタル面が弱い」「最近の若者は、男性でもすぐ職場で泣く。どうなっているんだ?」といった苦情(?)がありますので、この方の職場の状況も、納得できるものです。

ただし、こういう「最近の若者」を不甲斐ないと思う年長者のなかには、若者を鍛えるためにと称して、徴兵制だの農村ボランティアで働かせろだの、いろいろと過激なことを言う人がいますが、無理な話だと思います。「世の中は、政策では変わらない」のです。物事が動く時は、「国民の感情が大きく揺さぶられ」るときだとすれば、日本で物事がまだ大きく動かないということは、国民の感情がまだ高まっていないということなのでしょう。逆説的ですが、財政再建をはじめとする日本の変革のために必要なのは、政策提言や政治家の実行力などではなく、もっともっと日本と日本経済がさらに混迷の度合いを深め、にっちもさっちもいかなくなって閉塞感が強まること、なのかもしれません。

日本の停滞は、まだまだ続くのでしょうか。

2010年7月17日土曜日

日本国際経済学会関東支部大会

立教大学で開催された日本国際経済学会の関東支部大会に出席し、報告を拝聴して勉強してきました。また懇親会では、初めてお会いした方と、貴重な情報交換をさせていただく機会にめぐまれたのが、大きな収穫でした。ありがたい限りです。二次会では、いつもよくご一緒させていただいている他大学の先生方から、教育・授業方法を伺ったり、研究上の議論などもできました。今後に活かしたいと思います。